今回協力いただいたのは、“Reclaimation(再生)”をテーマに、主にアメリカ古材を用いたプロダクトの製作、家具店舗デザインを手がけるReclaimed Worksの岩西剛さん。DIYクリエイターとしての一面も持ちつつも、老舗インテリアショップのバイヤーとして長年古材を取り扱った経験から、木材とワックスの関係を熟知。今回オールドウッドワックスを実際に使ってもらい、その魅力に迫ります。
塗りやすいソフトタイプで簡単に古材風の仕上がりに!
テラコッタタイルには今回濃いめのジャコビーンをチョイス。テラコッタタイル本来が持つ素朴さにツヤと深みがが加わりました。それにより、まるでメキシコの住宅で長年使い込まれたような経年変化した味わいが生れます。
赤みのある木面が特徴的な米松(新材)。そこへ焦げ感のあるチューダーオークを塗布することで、古材のような深みのある表情に変化。テーブルの天板などに使うことで、ヴィンテージ家具のように仕上がります。
長い年月を重ねた米松(古材)は、乾いた表情を持っているためそのままでも雰囲気十分。古材の雰囲気を崩さないように、ライトな色合いのラスティックパインを塗布しました。古材が持つ魅力をより引き出します。
焦げ感のある独特の風合いと、深みのあるブラウンカラーが特徴のウォルナット。ヒノキ(新材)に塗布することで、古民家の柱に使われているような渋みある仕上がりに。木目を活かした和モダンなテイストのDIYにマッチします。
ブラウン系の中でも、赤みがかった風合いが楽しめるチーク。足場板として使用されていた足場杉板(古材)に使用すると、より一層深みが生まれます。厚みがあるため、棚板などに使うことでまるで既製品のようなクオリティに。
ライトな仕上がりで初めて塗装をする方でも挑戦しやすいアンティークグレー。焦げ感のある色合いは、オ―ク(古材)といった、木面に凹凸のある木材にオススメ。キズや釘穴に塗料が入ることで、濃淡を演出します。
DIYや住宅用建材でおなじみのラーチ合板は、木目が多く入っているのが特徴の木材。チャコールグレーのオールドウッドワックスを刷り込むことで、より一層木目がはっきりとした塗り上がりになります。シックな色合いです。
淡い色味がベースとなった、スモークグレー。オーク(新材)に塗布すれば、木目が淡く色づきます。フレンチアンティークのようなシャビーな雰囲気に仕上がるため、家具のリメイクDIYなどにオススメです。
グレーの中でも、最も柔らかなトーンに仕上がるベージュグレー。木目が薄いシンプルな合板に塗布することで、上品さのある塗りあがりに。家具やリメイクDIYの際に使用すれば、既存のインテリアに自然と馴染みます。
DIY好きの方であれば、一度は目にしたことがあるであろう輸入古材の定番バーンウッド(古材)。ホワイトを塗布することで、バーンウッド自体が持つ風合いをキープしたまま、透明感のあるカラーを楽しめます。
・オールドワックスや、ウォーターベースコート着色後の表面のつやが出ます。
・クリアなので、無垢の木目そのままを美しく、表面を保護しながらつやが出ます。
・表面を滑らかに仕上げます。(ワックスがけと拭きあげを繰り返すと、いっそう滑らかに仕上がります。)
〜オールドウッドワックスを使ってウォールオブジェの制作に挑戦〜
模様用に米松の古材(厚さ8×幅30×長さ600mm):10本
フレーム用に米松の古材(厚さ8×幅30×長さ1200mm):3本
台座用に合板(厚さ15×幅800×奥行き500mm):1枚
オールドウッドワックス:10色
やわらかい布(ウエス):2〜3枚
木工用接着剤(速乾)
たわし
スチールウール
ゴム手袋
金ブラシ
古材がないときは、新材でも表面が粗いものを使うと雰囲気が出しやすいです。表面が綺麗な木材しかない場合は、傷を付けたり、叩いたりして表面にテクスチャをつけるのもいいと思います。
木材の表面を紙やすりで塗装面のゴミをとりのぞき、木のトゲ等をならします。
ムラが出ないように色を乗せたいときはしっかりとサンディング(研磨)しましょう。今回は表面が粗い古材だったので120番のペーパーを使いました。滑らかに仕上げたい時には180番以上のペーパーの使用がオススメです。荒いペーパーで仕上げるとサンディングの細かな傷にワックスが入ってしまい、きれいな見た目にならないので要注意!
刷毛や柔らかい布で少しずつ塗り広げてください。
表面が粗い古材なので塗り込みやすいように、目の細かいスチールウールを使いました。刷り込むように塗るとワックスの成分が木材に染み込みます。ワックスがダマにならないようにしっかり塗り伸ばしてください。乾きが遅くなり、ムラができやすくなります。また、柔らかいバターのようなワックスなので広い面には刷毛を使うと効率的。
きれいな布で磨きます。
オールドウッドワックス塗布後、10分以上は乾燥させておきましょう。一般的には布で磨いてもいいですが、その前にタワシのようなブラシで磨くのがオススメです。ブラシで表面を回すようにこすり、最後の仕上げに布で磨いてツヤを出しましょう。磨きムラがあるとベタベタしたり、色移りしたりするので、しっかりと磨き上げましょう。
木材の端をナナメにカットします。
今回は木材の端を60度でカットしましたが、初めて挑戦する方には45度が一番作りやすい角度かもしれません。45度のカットであれば、ホームセンターなどで販売されている手ノコガイドなどを使ってカットすることが可能です。ほかにも角度定規を使って線を引けば、そのラインに沿ってカットする方法もありますよ。
カットした木材を枠をつけた台座に貼り合わせます。
あらかじめ台座に貼りたいパターンの線を大まかに引いておきましょう。最初から一枚ずつぴったり貼るというよりも、少し隙間など作りながら最後に帳尻が合うように貼っていくのがポイントです。木工用接着剤の乾燥には時間が掛かるので、乾燥待ちの間に貼っておいた木材がズレてしまわないように注意が必要です。
表面を柔らかい布で再度磨き上げます。
木工用接着剤が乾燥したら、いよいよ最終仕上げのステップへ。オールドウッドワックスを塗布して、様々な色合いに塗り上げられた古材たち。1枚の台座にランダムに配置することで、まるでアートピースのような仕上がりに。最後にウエスという布でワックスを拭き上げることで、色が深まりつつも、ツヤが生まれます。
柔らかなペースト状で、とても塗りやすかったです。また、こういったワックス類はシンナー系のニオイがキツイのですが、オールドウッドワックスはニオイが少ないので屋内での作業に向いていると思います。さらにはカラーバリエーションが豊富なので、シンプルな木材でも動きのある雰囲気を作り出せますね。同系色を2、3色使って塗り分けたり、グレー系とホワイトの組み合わせでペンキのようなポップな感じも出せそうです。ワックスは塗料系と違い、色付けしながらも素材感が見えるところがいいですね。しっかりとツヤが出て、木材の質感を引き立ててくれるので、プロの方にも是非使って頂きたいです。
オールドウッドワックスと重ね塗りすることで色に奥深さや厚みが出る下地材です。
(ウォーターベースコートのみでの使用も可能です。ウォーターベースコートは弱耐水性になりますので上塗りが必要です。)
〜初めての人にもチャレンジしやすい!オールドウッドワックス ウォーターベースコートを塗装してみよう〜
塗装されていない市販品(既製品)を用意します。
既製品をリメイクする場合は、塗装やコーティングがされていないものを選びましょう。塗装を剥がす工程が不要のため、スムーズに進められますよ。今回選んだアメリカ製の脚立は丈夫なパイン材を使った無塗装品です。オンラインストアなどを使えば、脚立のほかにも無塗装の家具は見つけられますよ。
表面をやすりがけした後にベースコートを塗ります。
オールドウッドワックスを塗る前に使用する、オールドウッドワックス ベースコート。今回、長年使い込んだ家具でよく見られる「アメ色」に仕上げていきます。2つの塗料の組み合わせに関して試行錯誤を重ねた結果、ベースコートは「オーク」、オールドウッドワックスは「ラスティックパイン」に決定です。
※素材によって仕上がりは変わります。
ベースコートが乾いたあとにワックスを塗ります。
組み合わせが決まったら、脚立に塗っていきましょう。一般的に刷毛やウエスを使いますが、今回は液だれしないようにスポンジを使います。塗り終えたら余分な塗料を拭き取り、乾燥させたのちワックスを塗り込みます。ベースコートは水で薄めたり、乾燥後に重ね塗りすることで、色の濃淡が調整可能。
表面を柔らかい布で拭きます。
乾燥したベースコートの上からワックスを塗布したら、脚立リメイクも最終段階。ウエスを使って、ワックスを木材に刷り込ませるように拭き上げれば完成です。日々使うことで使用感が出てきた時は、再びワックスでメンテナスしましょう。繰り返し行うことで、本物のアンティークのような風合いに。
オールドウッドワックス ウォーターベースコートは、水性のため刷毛などで塗りやすく、ニオイが少ないのが嬉しいポイントだと思います。さらにはオールドワックス以上の15色というカラーバリエーションも驚きです。オールドワックスだけでは表現できないカラーリングをベースコートとの組み合わせで作っていくのが醍醐味ではないでしょうか?例えば、ベースコートとワックスを同じブラウン系で組み合わせれば、繊細な色加減や濃淡を表現できますよね。ほかにも、ブルーやイエロー系のベースコートに、ホワイトのワックスを合わせてパステルカラーに仕上げたり。DIYの可能性を広げてくれる商品ですね!