2023受賞作品発表

ごあいさつ

この度の令和6年能登半島地震により、お亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げるとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。

ターナー色彩は、こどもたちの共同制作の発表の場として、2005年に「イベントアワード」をスタートいたしました。コロナ禍の休止期間を経て2022年より「みんなの絵画コンクール」として復活させることができ、お陰様で2005年以来、最も多くのご応募をいただくことができました。今年度は文部科学省にご後援をいただけることとなり、前回同様にたくさんのエネルギーと創造力に満ちた作品に出会うことができました。
ご応募いただきました皆様、そして素晴らしい作品を制作してくださったこどもたち、ご協賛いただいた株式会社ブリヂストン様、ご後援いただきました文部科学省をはじめ、ご支援いただきました全ての皆様に、心から感謝申し上げます。

応募総数855点の中から、審査員のミロコマチコ氏による審査の結果、グランプリは以下の作品が選ばれました。
小学校の部: 松山市立高浜小学校「高浜150年物語」
中学校の部: 大和高田市立片塩中学校「幻想は遠く〜夢へ〜」
高等学校の部:私立橘学苑高等学校「朝日」
ぜひホームページにて、ご覧ください。

ターナー色彩は、「みんなの絵画コンクール」の応募作品数に応じた「こどもエコクラブ」※への寄付、令和6年能登半島地震への支援等、こどもたちの未来へつながる活動にも積極的に取り組んでまいります。
今後ともターナー色彩へのご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

2024年1月
ターナー色彩株式会社

※こどもエコクラブ概要
平成7年度から環境省で実践していた「こどもエコクラブ」事業を公益財団法人日本環境協会が継承。幼児(3歳)から高校生までが参加できる環境活動のクラブで、子どもたちの環境保全活動や環境学習を支援することにより、子どもたちが人と環境の関わりについて幅広い理解を深め、自然を大切に思う心や、環境問題解決に自ら考え行動する力を育成し、地域の環境保全活動の環を広げることを目的に、全国事務局からプログラムや場の提供をしています。

講評:ミロコマチコ

入選された皆さま、おめでとうございます。今年も素晴らしい作品の数々を拝見し、どの作品にもそれぞれの良さがあり、選考はかなり迷いました。
小学校の部のグランプリ、「高浜150年物語」は自分たちの暮らす街への愛情が圧巻の風景を作り出しています。それぞれの道が隣の作品へとつながることでひとつの作品になるという発想にも拍手。それぞれの道はどれも個性的で、もっと細部まで見たい!という欲望に駆られます。準グランプリ、「マングローブの生き物」は土の中の様子まで描く面白さがあり、「さあ、冒険に行こう!」と「キモチイロBOX」は、絵を描くという枠を外してくれるようなおおらかで気持ちの良い作品でした。
中学校の部のグランプリ、「幻想は遠く〜夢へ〜」は、一見美しい色に魅了されるが、波しぶきに揉まれる蝶や、壊れかけている鎖などから、これから羽ばたいていく中学生のエネルギーの爆発を感じました。準グランプリ、「空想を泳ぐクジラ」、は絵の海に入り込んだような気持ちに、「この星空を君に」は果てしない宇宙を飛んでいるような錯覚に陥りました。「完全燃焼〜50周年歴史に残る豊中祭〜」はどこを切り取っても意味が込められている丁寧さを感じます。
高等学校の部のグランプリ、「朝日」の美しいこと!多くの要素を入れず、朝日がうつしだす世界を潔く描いた作品には、圧倒的な迫力がありました。この絵の前に立って、独り占めしてみたいです。準グランプリ、「南吉と動物たち」にはたくさんの楽しみが詰まっていて、どこを見てもにんまりしてしまう。「青春放題」には色と構図のバランスにデザイン力を感じます。応援パネルの応募が多い中、「赤団応援パネル」は一際目立っていました。赤をテーマに、花言葉で選んだ椿とティラノサウルスを描く粋な気持ちと色使いに、ため息が出ました。
大勢で作る時、描き手の人たちの大切に思う気持ち、応援や盛り上げようという心、そういう想いが入ることで絵はもっともっと輝くのだと思います。そして、そんな絵にたくさん出会えて嬉しかったです。ひとつひとつ見ながら、皆さんの気持ちを想像すると、絵からキラキラ輝くプレゼントをもらったようでした。描くことで得た経験が、喜びへと続き、未来へと繋がっていきますように。

Photo:Yayoi Arimoto

ミロコマチコ/画家・絵本作家
いきものの姿を伸びやかに描き、国内外で個展を開催。絵本『オオカミがとぶひ』(イースト・プレス)で第18回日本絵本賞大賞を受賞。『てつぞうはね』(ブロンズ新社)で第45回講談社出版文化賞絵本賞、『ぼくのふとんは うみでできている』(あかね書房)で第63回小学館児童出版文化賞をそれぞれ受賞。ブラチスラバ世界絵本原画ビエンナーレ(BIB)で、『オレときいろ』(WAVE出版)が金のりんご賞、『けもののにおいがしてきたぞ』(岩崎書店)で金牌を受賞。その他にも著書多数。第41回巌谷小波文芸賞受賞。展覧会『いきものたちの音がきこえる』『いきものたちはわたしのかがみ』が全国美術館を巡回。本やCDジャケット、ポスターなどの装画も手がける。自然の動きに目を凝らし、耳を澄ませながら、探究を続ける。

ブリヂストン賞講評:ブリヂストン

現在、コロナによる制限が緩和されつつありますが、戦争や自然災害などの社会的な課題も依然として存在します。その中でも皆さんの前向きな思いを感じる作品が数多くありました。また、自然や多様性といったSDGsに関連する作品も多く、次世代の皆さんがそのような意識を持ちながら作品を制作されていることを喜ばしく思います。千曲市立屋代小学校の作品は、一人一人が好きな色を選んで皆で重ねて描くという手法によって、多様性を感じました。この作品には、現代社会において必要な認め合う心を感じることができました。
春日井市立岩成台中学校の作品は、前向きな未来への向かう勢いを感じました。また、戦争のない平和な世界を目指すというメッセージが込められており、世界に目を向けられた作品であるところに共感しました。
広島県立熊野高等学校の作品は、サッカースタジアムという華やかな舞台も、それを作り上げる縁の下の仕事人によって支えられていることを表現されているところに、モノづくりのメーカーとして共感しました。また、地域や企業との共創活動を行ったことがとても素晴らしいと思います。
共創の経験は、今後の人生においても重要なものです。引き続き、仲間や友人を大切にし、みんなで何かを実現することを続けていただければ幸いです。

株式会社ブリヂストンの社会貢献活動紹介:
ブリヂストングループは、「最高の品質で社会に貢献」を使命として、広く社会の発展に寄与すべく、「ブリヂストンこどもエコ絵画コンクール」の主催や、障がいのある方のアート作品企画「異才たちのアート展」への協力など、さまざまな社会貢献活動に取り組んでいます。