プロに聞くオープンアクリリックス--MASUMI NAKAOKA

流麻二果氏WEB SITE
私は通常アクリル絵具では生布に直接描きますが、この絵具はより絵画的な表現に向いていると思ったのでジェッソ塗の麻キャンバスに使用しました。他の絵具と併用せずOPEN単独で試作しました。

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試用方法
アクリル絵具の持つ伸びの良さや強い被膜力がありながら、乾燥時間を気にせず制作が続けられます。古典的な油彩を思わせる落ち着いた色調でありながら、柔らかいテクスチャーの絵具はこれまでに無かったので、慣れるまでの戸惑いはあります。その分、これまでにない表現が出来そうです。
今回は鮮やかな色を乗せた上に、白基調の不透明色を重ねながら描いてみました(画像1)。
OPENは重厚な色調が揃っているので、私の普段の使用色より沈んでしまうのですが、OPENゲルやOPENメディウムと併用する事で透明感やツヤをコントロールしました。乾燥後の画面にゲルを混ぜて透明度を増した絵具を重ねると、非常に美しいツヤが出ます(画像2)。
薄い層を活かした軽やかな仕上がりにしてみましたが(画像3)、塗り重ねていくと重厚な雰囲気の画面になり、そういった油彩の表現を好む方には手軽なツールとなりえるでしょう
従来のアクリルとの違い
乾燥時間が遅いので、層を重ねていく描写でなく画面上で色を混ぜ重ねていく表現が出来る。→薄い層でのグレーズに適している。
乾燥を気にせず微調整が可能なので、大画面での広範囲な平塗りがきれいに仕上がる。
制作中に道具が乾いてしまわないので、片付けが簡単で道具も長持ちさせられる。
油絵具との違い
絵具自体のテクスチャーが柔らかいので、伸びが良くより薄く繊細なグレーズに適する。
同様のグレーズを油絵具で実現しようとすると、絵具の粘度と溶き油のバランスで難易度が高くなる。
絵具の被膜力が強いので下に描いた部分を潰しながら薄いグレーズが出来る。
臭いが無く、扱いが楽。
気になった点
絵具が柔らかいので、乾燥する間にエッジがにじみやすい。
シリーズの色調が重めなので、更にそれを乾かないうちに混色しながら塗り重ねていくと色が汚くなりやすい。初心者は特に注意すべきです。
今後に望む点
今回は全色を試した訳ではないので一概に言えませんが、もっと彩度明度の高い色も揃っていると私も含めより多くの人に適するのではないかと思います。
この伸びの良い感触は新たな表現に向きますが、従来の油彩チューブのような固めのテクスチャーも登場すると油彩の作家がもっと取り入れやすくなるでしょう。